第一、仕事を愉しむ。

私は、「楽しくなければ仕事じゃない」と信じています。私自身は仕事が大好きで、誰に言われることなく、楽しく働くことができます。しかしながら、特に労働条件の改善が叫ばれる昨今、働くことを愉しめていない人が多くいることも認識しています。

そもそも私たちには「勤労権」という、「働く権利」が基本的人権のひとつとして保障されています。この権利がベースにあるからこそ、自由に職業を選択すること、条件の整った環境で働くことを求めることができるのです。自らが持つ権利を行使するのに楽しくないとすれば、どこかに問題があるのかもしれません。

経営者となった私の仕事のひとつは、労働条件を整え、皆が楽しく働くことのできる環境づくりをすることです。この場所で、社員が思う存分、仕事を愉しんでくれる姿を心に描きながら、私はこの仕事を、愉しみながら取り組み続けたいと思います。

第二、新たな価値を生み出す。

私は、実はかなり保守的な人間です。その半面、常々異端でありたいと欲する自分がいます。それで、姿形から実践したりもしています。
「既成概念に捉われない」と言葉にするのは容易でも、実行するのには大きなエネルギーを要することを知っています。それでも私は、何か新しい価値を生み出したいと切望しています。

私一人ではできないことでも、皆が集まり知恵を合わせれば、何かを生み出すエネルギーに成り得るのではないか。違う環境で生まれ育ち、ここで出会ったすべての人たちの発想や思考を合わせて、新たな価値を生み出したい。皆が仕事を愉しむことができれば、これを実現できるところが「会社」であるのだと思います。

第三、リユース社会を実現する。

世界的に環境問題・エネルギー問題への関心が高まる中、日本でも循環型社会の実現を目指し、政府・自治体による啓蒙活動がさまざま行われています。合言葉として掲げられている「3R(スリーアール)」は、「Reduce(リデュース)=ごみを出ないようにする」、「リユース(Reuse)=繰り返し使う」、「リサイクル(Recycle)=廃棄物を資源として再利用する」を意味するものであり、私たち一人ひとりが、これらの取り組みを実践していく必要があります。

その中で私は、「リユース」を事業として選択しました。環境保全を表す「エコ」をベースにした3R推進の中で、「リユース」という新しい言葉が浸透しつつあります。「中古品」と言うと抵抗感のある方もまだ多いのが現実です。しかし、「リユース品」ならどうでしょうか。「エコ」がそうであったように「リユース」もまた、既存の価値観を変えてくれる可能性を秘めた言葉ではないかと思っています。

自分の使ったものを誰かに譲ること、他の誰かが使ったものを自分が使うこと、この「リユースすること」を、人々の暮らしの中の一般的な行動のひとつとして、無意識化できるところまで、リユースの輪を広げていきたいと考えています。